子供の慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と言葉の発達について。小学校でのつまずき。

大変重い慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を患う人からの情報が本当に少ないと私が思うきっかけになったことは子供の言語発達について、患者視点での情報が見当たらなかったことにあります。

慢性副鼻腔炎ではない方々には、風邪を引いた時のことを想像して欲しいと思います。それも鼻水が出て、鼻の奥が腫れて鼻がビッシリとつまるくらいにヒドイ状態です。頭もボーっとして、思考散漫、注意散漫になった経験がある人は多いと思います。

その上で無理に勉強をしたり仕事をしたりすると、頭が痛くなったり重くなったり、目の奥が痛くなったりすることが想定されますが、そんな経験をしたことはないでしょうか。きっと、多くの人が経験していると思います。その時のことを少しだけ思いだして頂きたいと思います。

思考散漫、注意散漫になり、言葉を発することも億劫になり、言語活動への影響を感じた経験がある人も多いはずです。副鼻腔炎の子供は、それと同様のことが慢性的な状態にまでなっていることが想定されます。だから、副鼻腔炎の子供の言語能力や学習能力に問題が出ていることはかなり多いと思います。

そう思うのは、私自身の経験からも間違いないことだと思いますし、客観的に考えても風邪を引いたり、インフルエンザなどにかかって鼻水が出て鼻の奥が腫れ、鼻づまりになると誰でも同じようになることは多くの人が同意するところだと思うからです。

ここで一つ私の実際の経験を書きたいと思います。

私は小学校に上がってから、はじめて教科書を立って読まされた日のことを覚えています。言葉がうまく出てこないのです。教科書の言葉は確かに目に入ってきているのですが、どのように発声したらいいのか分からない。どのように読んだらいいのか分からないのです。すでに平がなを読むことは出来るはずなのに、うまく読めないのです。

この件については今もよく覚えています。

こういったことが起こる背景には、副鼻腔炎(蓄膿症)も関係していると私は思っています。言葉をうまく使えないほど重症化している中で授業を受けている子供がいるということです。今は薬なども良くなり、それほど重症化することは少なくなっているのかもしれませんが、そういう可能性は残されているはずです。

そこで、もう少し私の背景を深掘りしておきたいと思います。

私は小学校に上がる前も「本」を落ち着いて読んだことがない子供でした。小学校に上がる前は保育園に通っていましたが、本が好きではなかったのです。小学生の時もそうでしたが、落ち着きのない子供だったと思います。それも特別に落ち着きがない子供だったと思います。そこにも既に副鼻腔炎(蓄膿症)の影響があったのではないかと大人になった私は自分の子供時代を思い出してそう思うのです。

たとえば、重い風邪を引いている状態、鼻水が止まらずに鼻づまりになり、息苦しくて頭も少し重たい状態、その状態で勉強している子供と、健康で元気な子供が当たり前のように同じ土俵で競争している状態を考えてください。それも一日じゃなくて、ずっとです。一年中です。

重い風邪を引いている子供の方が言葉の発達が遅くなることは誰でも想定出来ると思います。しんどすぎて、あっち行ったりこっち行ったりしつつ、それでも自分を誤魔化して無意識的に何とかその場を切り抜けようとしていたことがあったように感じます。それが癖になっていた部分もあると思うのです。

病気の影響があるのではないかという疑いを持って、様子を見ていた大人は誰一人としていなかったのではないかと思います。自分が経験したことでないと、なかなか人の辛さや苦しさは想像できないからです。日常生活において、そういうことは「無い」ことと思って生活している人が多いということだと思います。

それが悪なのではなくて、誰でもきっとそうです。

自分が経験したことのない辛さや苦しみは想像しにくいです。

日常的に重度の風邪を引いた時のような息苦しい状況におかれて生活している人がいるなんて想像なんか、そもそもしないと思います。

ですが、もし副鼻腔炎のお子さんを持っている方で、いつも元気すぎるくらいに走り回っているような子だということであれば、そのような状況にないか、点検して欲しいと思います。特に慢性副鼻腔炎(蓄膿症)を患っている子を持つ保護者の方であれば、定期的におかしなところはないか、点検してあげて欲しいと思います。

なぜなら、もし物心ついたときから悪い状態であれば、悪い状態を当たり前の状態として受け入れて生活している可能性があるのです。そのことについて声を上げることなんか小さい頃は特にないはずです。言語力の発達が遅れていないかという点でもチェックが必要と思います。

物心ついた幼き頃から慢性副鼻腔炎で苦しみ続けて育った人が大人になって手術をして、ようやくこれからだとしても、すでに言語力がかなり弱い状態に陥っていることが多いのではないかと思います。実際に私は言語力がかなり低い高校生だったと思います。

そういったことを、なぜこんなに取り上げるのかという点について、詳しく伝えておかなければいけないと思いますが、少し長くなりますので、こちらに記載しました。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と子供の症状の把握について