副鼻腔炎(蓄膿症) コミュニケーションがうまくいかないメカニズム3
コミュニケーションが上手に取れないことを言葉でうまく表現できなくても、成長とともに、それをカバーするようにして人との会話を避けるようになってくることがあると思います。初対面の人とか、これまで会話したことがない人とは特に話さなくなることが多くなると思います。話すべきタイミングですら会話を避けることが多くなるはずです。それで、さらにコミュニケーションの問題が深刻になってきます。
副鼻腔炎(蓄膿症)が分からない人からすれば、何で話しかけてくれないんだろうとか、何で意見を言わないんだろうとか、そういう思いを持つ機会が多くなってくることが予想されます。特に重症の慢性副鼻腔炎ほど、このようになりやすいはずです。で、本人はその現実について察しているものの、その後の会話や対応を想像すると面倒を感じる上に、その時にすでに身体問題で会話を継続出来ない現実があって、言葉を発しないことになります。話すリスクと話さないリスク。話さない方がいいと判断してしまうことが多くなることが予想されるのです。
これまでの人生の中で、なぜ話しかけてくれないんだろうとか、なぜ意見を言わないんだろうと思った経験はありませんでしたか?しかも、理由が全く分からなかったことはなかったでしょうか。そういう時の相手は病気を抱えていた可能性があります。重症の慢性副鼻腔炎だけではなく、他の病気も考えられます。単純に話せないというのは、それ以外の部分で何らかの異常があるケースが多いと思います。
副鼻腔炎が重症化していても、高校生くらいになると見た目を意識して強い薬も使っていることがあるので病気について察知されないケースもあると思います。それでコミュニケーション問題が出てくるということです。分からないことを良い方向に考えてくれれば良いのですが、社会性が増すほどに不快なものとして捉えられることになります。特に社会人として生きていくためには、このような欠落が大きなマイナス要素になります。何気ないことですが、分からない人にとっては単に無視されたとか、嫌がられたとか、意地悪をされたというように感じてしまう人も出てくると思います。
そうなると本当に大変になります。で、こういったことが当たり前に起こってきます。ですので、社会に出る前の対処は必須ですし、早めの対処をして出来るだけ身体面で不快感や違和感などが続かないように努力して欲しいと思います。たとえば、緊張し続けている人と会話して不快を感じた経験はないですか?そういう不快感などをいつも人に与える存在になってしまうことがあるのです。そういった所まで含めて、一瞬で人を見通す力がある人は本当に少ないと思います。ほぼいないはずです。
ですから、コミュニケーション問題は副鼻腔炎が重症化するほどに、また年齢が上がり社会性が増すほどに大きな問題になっていきます。そのような問題に発展しないように、出来るだけ早い段階での対処が必要と思います。社会で空気が読めない人、KYだよねと思われている人の中に、病気の人が実際はかなりいると思います。つまり、空気が読めない、人格に問題がある人として社会では処理されることになってしまう可能性が高いのです。最終的に何か変な人なんだという結論になることも多いはずです。
そういう将来になってしまうリスクが大きいことについて、どれだけリアルに想像できるでしょうか。保護者の方々には、そういうことを念頭において早めに対処し、コツコツと小さな努力を続けて欲しいと思います。そういう思いは子供にしっかりと伝わるはずです。自分が何らかの重い病気を持っている人ですら、それ以外の病気については想像力が働かないことが多いと思います。
実際、自分の重い病気についてアレコレと語っている人でも、人のことになると何も知らないのに「空気が読めない」とか「KYだよね」といった会話をしている人も見かけたことがあります。それくらいに、人のことは分からないものです。相当な教育をされていない限り、基本的に人はこのように自分のことだけになります。実際に、人のことなんて本当に分からないものです。ですが、今の社会はどこか「分かる」前提の個人を想定して生きている人が多いように感じます。
学歴や年収、所属企業、生まれた年、出身地、性別など、色々なことで人をラベル付けして特定するような感覚で生きている人が多いように思うのです。そういったことにも一定の価値があるものの、それがそのまま自分の人生の視点になってしまうのは残念な感じがしますが、現状はそういう人が増えていると思います。だから、病気を持つ人は生きにくい状態ですし、今後さらにそうなっていくと思います。そういう社会環境があることも、保護者の方はちゃんと見据えておくべきです。そういう視点があれば、物心ついた頃から慢性副鼻腔炎(蓄膿症)が重症化してしまっている子供について放置を続けるような人も減るのではないかと思います。